本望行雄の選ぶ・・・・“名水その1

太古の露(茨城県)

<水量豊富で、甘くて美味しい水>―評価-◎◎◎◎〇

茨城県南部には、歴史とロマンを秘めた「筑波山」と、その北方に「加波山」の2つの山が有ります。「筑波山」は、昔から関東の名山として<西の富士>、<東の筑波>と並び称され、秀麗な山の姿は、朝夕にその色を変えるところから「紫の山」・「紫峰」等と言われています。そして、その優美な姿から、多くの歌人を魅了し、「万葉集」や「小倉百人一首」などに数多く歌われています。
『男体山・女体山』の双峰からなる筑波山は、生産のシンボル、神の住む山として、古くから多くの人々に愛され、信仰されてきました。


湧出管の前で・・・・
その標高は、「876(m)」ですが、関東一円どこからも望め、また山頂からは関東平野の雄大なパノラマを満喫できます。この「筑波山嶺」を源とする、①「茨城県真壁町湯袋峠の湧水(実態は、沢水―飲用不可)」②「茨城県新治郡八郷町真家の鳴滝(ひっそりと隠れた名滝-多分飲用不可)」、③「茨城県真壁郡真壁町田の岩の間から湧き出す名水-真壁の湧水(多分飲用可、煮沸した方が良い)等の3箇所の“湧水”が有りますが、何れも、その水量は少なく、「本望」が“生で飲用”を推薦できる“湧水”は有りません。
湧出状態
その他に、④「茨城県新治郡八郷町十三塚の筑波山東斜面の新しい湧水―紫賓水(飲用可)」が紹介されていますが、私は未経験です。総じて「筑波山」の湧水量は、「山の大きさ」から考えた場合、少ない印象を受けます。一方、「加波山」は、御影(みかげ)石の産地として、また、修験道の霊山として知られた山で、洞穴など、以前は704箇所の霊場があったと言われ、今でも、ブナ林に覆われ、薄暗く、人を拒むような雰囲気があります。
加波山(樺山、蒲山、加葉山)は、前述の「筑波山」と共に古くからの信仰登山の山で、かつては、≪神場山、神庭山、神母山≫とも記されていたと言われており、「加波山」様は「雷の神様」で、西の方からくる“雷雨”はいずれも加波山から出るものだと言われております。なお、「加波山」の標高は709(m)で、「筑波山」より低いものの、「桜川」や「恋瀬川」の源流と考えられる【註―完全に辿っていないので不正確】。 その「加波山」の「岩瀬町木植」に所在するのが≪太古の露≫で、その入口近くに、「板敷山大覚寺」が所在します。≪太古の露≫の湧出量は、凡そ、30(㍑/min)と恵まれた水量で、大変美味しい“甘い水”で、私が試した限りでは、「3ヶ月間」、味変わりしませんし、そのまま飲めます。
「JA岩瀬」で通信販売をしているとの事で、取水口は写真に示すように、塩ビ管が用意されており、足場もそれなりに整備されております。

表 名水―「太古の露」の評価一覧
評価項目 評価点 備考欄
①湧水地周辺環境 湧水地周辺部に、人家、観光施設等存在しない
②水質 甘くて、美味しい、ピュアーな軟水
③水温 水温≒8(℃)
④水量 ≧30(litre/min)程度で、季節変動なし
⑤取水季節 路面が悪いが、冬季の取水も可能(但し、積雪の場合は、残雪が懸念される)

湧水を取水する場合に、『注意』する事は、取水する前に、①容器内部を、当該湧水で洗浄し、②容器内に“空気”を可能な限り少なく、すなわち、水のみで、容器を満たす事です。そして、③大気中には細菌が多いため、採水容器が10(㍑)とか20(㍑)と大きい場合、飲用するばあいは、一度に、2(㍑)容器に小分けし、そして、同様に、容器内“空気”を出来るだけ少なくする事が重要です。これを守れば、冷暗所に置けば、3ヶ月以内は、そのまま、飲用出来ます。

――――――付近散策――――――
「加波山」の西に所在する、新冶郡八郷町の板敷山は、親鸞聖人が修験者「弁円(べんねん)」に襲われそうになった場所・聖人法難の地として有名です。この板敷山の山懐に抱かれるように所在するのが大覚寺です。 人皇82代後鳥羽院の皇子・正懐親王が周観大覚と称し、東国諸州を行脚した末、親鸞聖人に会ってその門弟となり、善性(ぜんしょう)房と号して板敷山のふもとに草庵を結びました。これが大覚寺の草創と言われています。
                      【文責;㈱技術開発総合研究所® 本望 行雄】

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